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リンクについて





一 勝手にリンクして何が悪いのか?

 WWWの優れた点は、自分のページ間のリンクを張ることができるだけでなく、自分以外の人の作ったページにも簡単にリンクを張ることができる、ということである。

 私も、自分でホームページを持とうと思ってHTML文書の書き方を勉強するまでは、リンクというのは何か特別な実行ファイルがあって、それを実行しているのだとばかり思っていた。
 しかし、実はそんな大げさなものではなく、ただテキスト・ファイルでHTML文書を作り、そこに<A HREF=”・・・”>○○</A>とタグを書くだけで、どんな他人の文書にもリンクを張ることができるのだ、と知ったときには、大いに驚いたものである。
 リンクによって関連情報をひとまとめにすることができる、という機能が、WWWをこれ程一般に普及させた一つの要因であることは間違いない。

 さて、私がホームページを開設した当時(平成8年夏ころ)は、「他人のページにリンクを張るときは、事前に承諾を得ておくことがエチケットである。リンクを張る場合も、ホームページ(INDEX・HTML)にリンクすべきで、それ以下のページに直接リンクを張るのはエチケットに反する」ということが常識として語られていたように思う。誰がこのように言い出し、私が誰からこのように聞いたのか、今となっては私には分からないが、思うにエチケットというのはもともとそのようなものなのだろう。

 私も、長らくその「エチケット」は守ってきた。
 リンクを張る場合は、必ず事前に承諾を求めるメールを送り、承諾メールが帰ってこない限りはリンクしなかった。しかし、普通はすぐに承諾する旨のメールをもらっていたので、これは特に問題とは感じなかった。
 また、リンクは必ずホームページに張っていた。参照してもらいたい具体的なページとして言及する場合は、ホームページにリンクを張った上、「このホームページの○○というコーナーにある××というページを参照のこと」などという形で処理してきた。これは、何ともまだるっこしいし、自分で私のホームページを見る際にも、関連情報に直接アクセスできない(コーナー・ページ名を覚えてからホームページへと飛んで、自分で目的ページを探さなければならない)という意味で、リンクの利点を生かし切れていない、と感じていた。

 しかし、リンクするには承諾を得る、リンクはホームページに張る、というのは、本当に守られるべきエチケットなのだろうか?


二 先達の見解

 1 私がかかるエチケットに疑問を持つようになった最初のきっかけは、立花隆「インターネットはグローバル・ブレイン」(講談社)P36の以下の記述を見たときだった。

 「日本ではエッチなページにリンクしているページは猥褻罪に問うべきだとか、相手の許可をとらないでリンクするのはけしからんとかバカげたことをいう人が沢山いますが、そういう主張をする人はリンクがどういうものか知らない人です。アドレスを書くことが猥褻罪になるはずはないし、そのことで相手の許可を求める必要はありません。リンクは自由です。」

 あの立花隆が「リンクは自由です」と言っているのだから、リンクは好きに書いていいのではないか(常々偉そうな物の書き方をしているが、私は権威というものに弱い)。
 今までの「エチケット」は、実は古い時代の古い考え方に過ぎないのではないか?

 そもそもインターネットに情報を公開しているということは、公にその情報を利用してもらいたいと考えているからのはずで、「人に見てもらいたくない」「リンクを張って欲しくない」情報をインターネットで公開するというのは論理矛盾である。
 そして、一旦公開した以上は、その情報を人がどのように利用しようと(もちろん、不正な方法での利用は論外ですが)、それはホームページ作者の干渉すべき問題ではないはずである。
 「自分としては私のホームページの全体を見て欲しいから、一部だけ摘み食いするのは許せない」と考える気持ちも分からないではないし、特に、ホームページにだけアクセスカウンタを付けるのが普通なので、ぜひともホームページから入って、目的ページに行ってもらいたい、という気持ちも分からないではない。しかし、それは単なる感情的な問題であり、敢えていえば単なるエゴではないだろうか。

 2 この問題については、岡村久道「インターネットでの情報発信をめぐる法律問題について」が分かりやすく問題を整理してくれている。
 例によって直接目的ページに無断でリンクしているのであるが、岡村自身「リンクは自由だと思います」という結論なので、多分文句は言われないと思う。
 リンク問題のみならず、インターネットで問題となりうる著作権などの法律問題について網羅的に書いているので、ぜひご覧になってもらいたい。

 3 更に参考として、夏井高人Information & Cautionの「リンクについて」が非常に分かりやすい。
 夏井は、次のように書いている。

 「リンクは,インターネット文化の最も重要な基盤の中の一つです。他のサイトへのリンクを作成すること及びそのリンクにコメントを付すことは,それが犯罪を構成したり公序良俗に反するようなきわめて特殊な場合を除き,言論・評論の自由の範囲内の問題であると考えます。
 また,リンク先が当該ホームページのトップ・ページでなければならないというようなルールは,合理性がありません。
 ・・・
 したがって,自分のホームページ内の任意のページにリンクされることを望まない者は,そもそもインターネット上での情報発信を断念するか,または,任意のページへのアクセスを制限するための何らかの技術的手段を自らの自己責任で検討・構築すべきでしょう。」

 夏井教授は、元裁判官であり、現在法情報学ゼミを担当されているとのこと。
 非常に参考になる情報が多数なので、上の文章だけではなく、ぜひ法情報学(夏井高人研究室)全体をじっくりとご覧になっていただきたい。


三 結論

 例の「エチケット」は、「スープを飲むときは音を立てない」というような「当たり前の」エチケットなのか、「ご飯はフォークの背に乗せて食べる」「スープはスプーンを手前から向こうに動かして掬う」というような「間違いではないけれど、必ずそうする必要もない」エチケットなのか、どっちなのだろうか?
 それはともかく、上の3人の見解に私は賛成である。
 そのような見地から、私も、今年(平成10年)に入ってからは、ためらわずに「無断で、目的のページに直接リンクする」という方法を実践している。






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