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ホームページを作る(1)




本稿は、平成8年ころに作成したものなので、引用の文献は当時のものです。


一 はじめに

 最近、ホームページを自作したいのだけれど、どうしたらいいのか、というメールを法律関係の何人かの方からいただきました。
 「初心者にも分かるホームページの作り方」の本は、今や本屋のパソコン関係の本棚を見れば山のように出ているので、どれか一つを買えば、全て分かるはずですし、実際、1冊は持っておくと後々色々役立つこともあろうかと思います(私は、「ワンランク上のホームページのためのHTML&CGI入門」(エーアイ出版。4-87193-438-1。最近改訂版が出たようです。)と、「極めるHTML Tipテクニック」大島智樹(秀和システム。4-87966-549-5。)を使いました。後者が1000円で、FTPの使い方や、検索サービスへの登録方法なども丁寧に書いてあるので、お勧めです。)。
 ただ、ホームページの作り方など(基本的なところは)極めて簡単な話であるし、話を「法律関係のホームページ」に限定して言うなら、私としてもアドバイスしたいことがなくはないので、ここで簡単に書いてみたいと思います(あくまで、全く初めてホームページを作ろうという人に対するものですから、過大な期待されると困りますが・・・。)。


二 インターネットの哲学

 偉そうに「哲学」などと書きましたが、要するに「インターネット活用法」古瀬幸広(講談社ブルーバックス)を紹介したいというに止まります。
 ハウツー物も前述のように1冊買っておいた方がいいのですが、この本は、実にホームページ作成上留意しておくべき「哲学」がしっかりと書かれているので、ぜひご一読されることをお勧めします。
 この「インターネット活用法」を見てもらえば私の言いたいことのほとんどが尽きているのですが、一応、3点ほど、ホームページ開設にあたって念頭に置いておいて欲しいことを書きます。

 1 ホームページを開設するということは、インターネット上の世界大の百科事典に自分の持っている小さな情報を付け加えることである。
 私がホームページを開設したのも、もともとは一部の最高裁判例の原文を紹介したいというところから出発したものです。もとより、判例検索システムの代替などの大きな狙いはありません。
 このような判例情報は、必要のない人には単なる文字の羅列に過ぎません。しかし、必要のある人にとっては重宝な情報であろうと思います(だから公開しているのですが・・・。)。そのような、「必要性を感じる人」のために「必要な情報」を提供するというものです。ただそれだけのことですが、各人が手持ちの情報を公開し、色々な人にリンクしてもらったり、検索システムに登録したりすることにより、「必要性を感じる人」がこの情報に到達できる(又は、できる可能性がある)状態に置くことで、結果的に世界大の百科事典ができてしまうというものである(若干楽観的な議論ですが)ということは認識しておいていいと思います。

 2 ホームページが提供するのは、「情報」である。
 「コンテンツ」などと言われることもありますが、私は意味が分からないので「情報」としておきます。これは、徹頭徹尾念頭に置いて欲しいと思います。
 よく、「ホットな」とか、「クールな」とか、訳の分からない表現がされたりしますが、個人のページである限り、無意味な装飾は可能な限り排除すべきであって、ホームページは情報提供に徹するべきです(企業が「有り余る」資金を使って作っているものとは性質が違います。)。
 一番よくないと思うのは、ホームページ(最初に開くページ)に重たい画像ファイルを入れているものです。さんざん待たされたあげくに出てきた画像が「00'S HOME PAGE」などというときは、喧嘩を売られているような気になります。全ての人がISDNでインターネットしているわけではなく(私も最近まで14400だった。)、会社で自腹を切ることなくインターネットを使っているわけでもないのですから、情報に見合わない画像は使用しない方がいいでしょう。また、ホームページに限らず、大きい画像の場合は、ページに張り込むのではなく、必要な人だけがそこをクリックして画像を入手できるようにすべきですし、また、そもそも画像は、テキストしか表示できないブラウザを使っていて、その画像を見ることができない人でも一応そのページの内容が理解できる程度の使用に止めておいた方がいいと思います。
 また、情報提供に徹するという意味は、画像の使用を自粛することだけではなく、基本的にレイアウトも余り頭を使わないと言うことです。どうせ、いくらレイアウトに凝ってみても、ブラウザが違えば違って見えるのです。どんなレイアウトであれ、必要な情報さえ載せてあれば、その情報を必要とする人は見に来てくれるのですから、気にする必要はありません。
 最近、フレーム機能を駆使したページが増えているようですが、私は嫌いです。1024×768ピクセルのように大きな画面で見ることができるのであれば便利な機能かも知れませんが、640×480ピクセルのように小さな画面でフレームを使われると、何がなんだか分からなくなってしまいます。しかも、そのようにゴチャゴチャの画面にしておきながら、本当にフレーム機能が便利だなあと思わせるページは非常に少ないものです(法務省ホームページなどは、数少ない成功例の一つかも知れません。)。
 若干、感情的になってしまいましたが、法律関係者のホームページである以上は、要はどのような文字情報が提供されているかが問題であり、そこにこそ頭と時間を使うべきですから、ホームページの「見栄え」など気にする必要はないと割り切るべきです。

 3 インターネットは世界に情報を発信するものではなく、逆に狭い領域の人にこそ情報を発信するものである。
 1で「世界大の百科事典」などと大風呂敷を広げましたが、実は、「世界大の百科事典」というインターネットの本質は、個人のホームページとして考える限りは、狭い世界での情報授受という逆説的なところで実現していると私は考えています。
 どういうことかというと、要するに、「世界中の人に見てもらいたい」などと気負ってホームページを開設してみても、あなたのページを見てくれる人は本当にごく少数だと言うことです。「1日にアクセス数千件」などというページもあるようですが、私のホームページの実態は「1日にアクセスがのべ50件前後」です(「のべ」ですから、実数は数人程度のはずです。)。
 これは考えて見れば当たり前の話で、我々は、普通、一般の人に有益な情報をおもしろおかしく伝達する特殊な技能は持っていないものです。しかも、法律関係の情報など、一般人が「知りたい」というものはそう多くはないはずです。だから、あなたがホームページを開設したとしても、それを見てくれるのは「あなたが持っている情報を必要としているごく限られた人たち」に過ぎないのです。
 この点は、過大でもなく、過小でもなく、適正に評価する必要があります。例えば、「うちの赤ちゃん」などのホームページを開設している人も相当いるようです(私は見たことはないが)。一般人(私も含め)の感覚からいうと、「他人の赤ちゃんを見て何がおもしろいのか」ということになるでしょうし、したがって、一般人は「うちの赤ちゃん」のページなど見る気も起きません。しかし、何せ日本人だけで1億人以上いますから(英語のページにすると世界中が対象となる)、他人の赤ちゃんを見て、その人と感想のやりとりなどをすることが楽しいという人も、中にはいるのかもしれません。つまり、「うちの赤ちゃん」のページは、そのような人たちに必要な情報を提供している点で、「百科事典」の立派な一部なのです。そして、世の中には、どんな情報を必要としている人がいるのか、分からないものですから、一見無意味な情報であっても、それを必要としている人がいないとは限らないのです。
 ホームページを開設するときは、無用な気負いや、変な期待など持たず、「私の情報を必要とする奇特な人が見てくれればいい」という程度の軽い気持ちでスタートした方がいいだろうと私は思うのです。



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