普通、この数額の表示には、次の3つの例が考えられる。
1 六〇〇〇万〇二〇〇円
2 六、〇〇〇万〇、二〇〇円
3 六〇〇〇万二〇〇円
1と2が多く、3は少ないながらも結構見かける。
本稿では絶対的に1を推奨し、2・3の用法を根絶することを提唱したい。
まず、「六〇〇〇万二〇〇円」は、絶対にやめてもらいたい。これも、「六千万二百円」と同じく、見かける都度即刻指導しなければならないと思う。「万二」ときたときに、この「二」は「2000」の意味だと思ってしまう。その後「〇〇」と続くのを見たときに初めて(遡って)「この「二」は「200」のいみだったのだな」と分かるのである。これは、思考に余計な(そして全く無意味な)負担をかけるものである。
次に、「六、〇〇〇万〇、二〇〇円」であるが、これは「六〇〇〇万二〇〇円」と違って、思考に余計な負担をかけるものではなく、その意味では「六〇〇〇万〇二〇〇円」とは趣味の違いといってもいいのかも知れない。ちなみに、東京弁護士会親和全期会コンピュータ研究会編「弁護士業務とやさしいパソコン活用法」ぎょうせいでは、わざわざ「金12345678円」を「金一、二三四万五、六七八円」に変換するマクロの紹介があるので(117ページ)、弁護士の間では一般的なのかも知れない。
しかし、この「、」の意味が分からない。日本人の思考に3進法的な部分があるというわけではないから、数字が3つ並ぶと「、」を付けるという必然性がない。欧米式の「60、000、200」的な「、」とするなら(おそらくそのような意識なのであろう)、「〇、二〇〇円」の部分は理解出来なくはないが、「六、〇〇〇万」の部分は了解不能である。「六〇、〇〇万」にするなら、それはそれで植民地的思考としてそれなりの評価ができようが、それにしても「六〇、〇〇万〇、二〇〇円」と書いたからといって欧米人に評価されるものでもないだろう。
欧米式の表記は、「60000200円」と書いた場合桁が分かりにくいから「60、000、200円」と書くのだと思う。しかし、日本語はその点では「億」「万」等の優れた表示方法があるのであり、「六〇〇〇万」と書いて何ら分かりにくい点はない。
趣味の問題に近いが、「六、〇〇〇万〇、二〇〇円」と「、」を入れる合理的理由がないなら、今後は「六〇〇〇万〇二〇〇円」で統一したいものである(ちなみにいうと、本多勝一も倉田卓次もこちらの表記を進めている。)。